国内におけるEC市場規模は10兆円を突破しており、年々拡大傾向にあります。新型コロナウィルス蔓延の収束まで先行きが見えない状況下において、人々の消費行動のオンライン化はますます増加しており、大小さまざまな企業によるEC市場への参入は、今後も増えることが予想されます。
しかし、既に飽和状態になっているとも言われている現在のEC市場において、ただ単にECサイトを開設するだけでは商品は売れません。EC事業を軌道に乗せ、発展させていくためには、販売戦略をしっかりと練り、競合他社との差別化を図り、市場の中で唯一無二の存在になっていく必要があります。そこで重要になってくるのがECサイトのブランディングです。
ECサイトのブランディングには様々な方法がありますが、本記事ではギフト販売を軸として、ブランディングを実践するためのECサイトを構築していく方法についてご紹介していきます。
なぜギフトなのか?
ギフトの購入機会は日常に溢れています。
1月 | 年賀 | 5月 | 子供の日、母の日 | 9月 | 敬老の日 |
2月 | バレンタイン | 6月 | 父の日 | 10月 | ハロウィン |
3月 | ひな祭り、ホワイトデー、送別 | 7月 | お中元 | 11月 | 勤労感謝の日 |
4月 | イースター | 8月 | 残暑見舞い | 12月 | お歳暮、クリスマス |
このようにギフトを贈る機会は毎月のようにあり、イベントごとに便乗してギフト企画を立てることができます。
さらにコロナ禍によって「人と気軽に会うのが難しい状況」が作り出された昨今、「人と会えない代わりにギフトを通じて人とコミュニケーションを図る」といった、新たなコミュニケーションの方法が広まっています。家族や親戚、親しい友人間で気軽に贈りあえるカジュアルなギフトのニーズが高まっております。ECサイトを利用することで、直接相手に手渡しをしなくても、ギフトを通して気持ちを伝えることができます。
ECサイトにおける贈り方にも変化が生じていることにお気付きでしょうか。新しい贈り方として登場したソーシャルギフトは、相手の住所が知らなくてもSNSを通して気軽に贈れるため、気軽に贈りあえるカジュアルギフトの方向性に合致しています。
このようなギフトのトレンドを、ECサイトのブランディングとして戦略的に取り入れることで、次のような効果が期待できます。
ファンの獲得
ギフト通販は、ECサイトを通して“ギフト”に関する付加価値を提供します。商品そのものをギフト化したり、熨斗やラッピングといった商品に対してオプションで提供するサービス等があるでしょう。その付加価値に共感した顧客はファン化しやすく、ファンの獲得は即ちリピーター獲得に繋がります。
集客力がアップ
良いギフト商品、良いギフトサービスを体験した顧客は、リピート購入時に製品名あるいはショップ名、サービス名で指名買いをするでしょう。これはSEOにも有利で、自社ECサイトを表すオリジナルのキーワードで検索上位表示しておくだけで、再訪してくれます。
また、口コミが広がることによる集客アップにも期待できます。特にカジュアルに贈りあったギフトはSNSとの相性が良く、喜びの声をそのままSNSに投稿する可能性も期待できます。それが拡散されれば、一気に認知度が高まります。
利益を確保しやすい
ギフトの付加価値を付けることで、その付加価値に対する料金を商品価格に上乗せすることができます。価格競争に巻き込まれず、安売りせずとも商品が売れるようになります。
また、お中元やお歳暮、結婚・出産・進学・卒業・新築・引っ越しなどのお祝いや内祝い、仏事の返礼などフォーマル色の強いギフトは特に、値段を決めてから商品を選ぶ場合も多く、客単価を高価格帯で維持しやすいといった特徴もあります。
ギフト戦略を反映したECサイトを構築する方法
ギフト目的での購入の場合、贈り手はECサイト上で商品を選びますが、実際に商品を手に取る機会がなく、受取人にどのように贈られるのか、想像するしかできません。この為、贈り手がECサイトでギフト商品を購入しようとする際に、いかにECサイトの世界観に没入できるか重要になってきます。
商品選びの段階で、商品やサービスの背景に共感し、受取人が実際に商品を受け取ったときの喜ぶ姿を想像できるところまでを思い描けるような、ビジュアルやストーリー性をECサイト上で表現する必要があります。
これを実現するためには、自社ECサイトの構築が必要です。せっかくギフトを軸にブランディング戦略を練ったとしても、それを自由に表現しにくいモール型のECに出店する方法では効果は薄れてしまいます。
スクラッチ型開発
ギフトECサイトを構築する方法として、自社の細かいニーズを設計しやすい、スクラッチ型のシステムで構築する方法があります。現時点では有名百貨店をはじめとする比較的規模の大きいECサイトに多く見られます。
スクラッチ型開発はシステムの自由度が高い反面、サーバーやアプリケーションなどの安全性(セキュリティ)、安定性や機能性等は自己責任で運用する必要があり、システムに関する方針や特別な知識や技術を有する、専門性が高い人材を継続的に確保する必要があります。
資金力も必要となり、システム初期構築費用及びサーバー代金、及び保守やセキュリティ維持、トレンドにそった機能を必要に応じて自前で開発する必要があります。
ASP/クラウド型
「ASP」とは、Application Service Providerの略で、インターネット上でアプリケーションを利用するサービスです。オンライン上のサーバーで提供されているシステムやサービスを、インターネットを介して利用する形態を意味する「クラウド型」と称される場合もあります。
この構築方法では、EC事業者はクラウド上にある共用のプラットフォームをベースにECを運営できます。必要な機能がすでに用意されており、今後の機能拡充や独自にシステムを開発する必要がありません。導入後もサーバーやアプリケーションの管理、機能バージョンアップ、セキュリティアップデートをシステム提供会社の責任のもとで行いますので、EC事業者はシステムに関する特別な知識や技術を有する人材が不要で、月額と利用量に応じた従量課金を支払うのみでECサイトシステムを運用できます。ただし、カスタマイズは容易ではなく、EC運用をシステムに寄せて、運用面でのカバーが生じることもあります。
しかし最近では汎用性の高いプラットフォームを利用することで、大手EC事業者においてもASP/クラウド型のシステムを導入する傾向にあります。
ギフトECサイト構築のためのクラウド型ASPのaishipGIFTなら、のし、ラッピング等のギフトECに必要な専用機能を備えており、自由度の高いCMSで自社のブランドイメージにそったデザインサイトの構築が可能です。SNSと相性の良いソーシャルギフトにも対応しております。
成功事例
ギフトを軸にブランディング戦略に成功した事例をご紹介いたします。日本人に馴染の深い「お米」に付加価値を創出し、「お米のギフト化」を実現したブランディング戦略について、こちらのインタビュー記事にてご紹介しております。是非ご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。成功事例としてご紹介した「お米」のように、日常生活の何気ない商材であっても、あらゆる商材にギフト化のチャンスがあり、ブランディング戦略を立てられるチャンスはまだまだ隠れているように思います。今一度、自社の販売商品を見直し、ギフト化できないか検討してみてはいかがでしょうか。
ギフト軸にブランディング戦略を立て、実現化していくことになれば、ギフトに対応したASP/クラウド型のEC構築システムを採用することで、既に用意された専用機能を使用することができ、スピーディに販売を開始することができます。